ジェミーの散らかった部屋

りんごを丸かじりします

Entries from 2023-06-01 to 1 month

温泉街

ほくほくの湯気 漆喰の白壁 渋い木の屋根 オレンヂのガス燈 大正モダン 赤、青、白、雪駄 ビー玉きらきら 昔はすべてが美しかったのか 残されたものだけが美しいのか 考える 東京に戻って 箱のような家を見ながら 考える 美しいものだけ見て生きていたかった

こんにちは、暗闇

こんにちは、古い友達 彼は自由な人だった 皆に笑顔を返しながら だれにも届かない場所へ行っていた いつからだろう 自分が自分であることに価値がなくなった あなたがあなたであることに価値がなくなった いつからだろう それはわかりきっていた それがくる…

ノスタルジアの主題と水の表現

第1章: 導入 ノスタルジアとは普遍的な、全人類的な感情である。しかし、タルコフスキーが述べるところによると、ロシア人にとってのノスタルジアはより深く、根深いものである。 「ロシア人は、新しい生き方に簡単に適応することはめったにありません。同化…

あの夏と本

日に照らされて明るく光るひまわりに太陽を見た。真っ青な空に入道雲が立ちのぼっている。世界があんまりまぶしくて目がくらくらした。蝉の声は日夕しみわたっていて、いつも傍にいるかのような親しみを覚える。日本の夏は豊かである。 学部二回生の夏休みは…

東京フォビア

東京にはすべてがあって、なにもない。 私は東京生まれで、一応江戸っ子でもある。 小さなころは東京に、江戸を感じていた。 夏の運河の少し焼けた潮の匂い。築地市場で喧しく行われる競り。 神保町の古本街、数学の本を買ってもらった八重洲ブックセンター…

フィッシャー『資本主義リアリズム』を読んだ

自由を愛しています。世界が嫌いです。 ここから逃れるために長い旅に出ました。 古代の文明に胸を高鳴らせて、中国に行きました。 昔の偉大な国々を思い巡らせ、トルコにたどりつきました。 イスラム文化に憧れて、イランに旅立ちました。 サガンのような内…