こんにちは、古い友達
彼は自由な人だった
皆に笑顔を返しながら
だれにも届かない場所へ行っていた
いつからだろう
自分が自分であることに価値がなくなった
あなたがあなたであることに価値がなくなった
いつからだろう
それはわかりきっていた
それがくるのはわかりきっていた
ほんとうは
見ないように力を尽くした
逃げて逃げて、逃げ切れる気がした
自分は自分のものだとおもっていた
思いたかった
あなたも
わたしは捨ててしまった
車輪に押しつぶされてまで
車輪と一緒に走る
価値に巻き込まれる
これでいいと言い聞かせる
少年の日の思い出
夏の草のにおい
川に飛び込む
これが本物なんだ
これが、本物なんだ